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――2008年、12月25日。
そう、世はクリスマス。
見渡す限りカップルだらけの日。
「………」
早瀬 祐人(はやせゆうと)は1人、外の道を歩いている。
「……ふう」
恋人でもいない限り、男が1人で出る必要の無いクリスマスなんかに何故早瀬が外にいるかと言うと、
「……よっ、と」
クリスマスプレゼント。
たくさんの兄妹の為にプレゼントを買うためだった。
それぞれ別々の物を頼むため、様々な店に回って最も安い物を探さないとならない。
いくら高校生といってもまだ一年生。
できるアルバイトにも限りがある。
入れられるだけアルバイトを入れ、その空いた僅かな時間を使いプレゼントを買う。
「……くっ」
身体のあちこちが痛む。だが、そんな事を家で待っている兄妹たちに言ってもわかる筈が無く。
「うっ……」
自分の身体に鞭打って、なるべく早めに家路に着こうとする。
その途中、出来事は起きた。
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