現実

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俺は結城、今時の小学生にしてはちょっと冷めている。 この東京で生き抜くために俺は現実を見ている。 必死に営業に歩き回り汗を流すサラリーマン。 上司にペコペコ平気で土下座をする部下。 俺はそうはなりたくない 。 親の勝手で入った私立小学校。 「しょうがない」 勝ち組になるためにはこうするしかない。 俺は高ぶる感情を抑え自分に言い聞かせた。 大人なんて嫌いだ・・ 自分の意見を押し付けて、それが正しいと思ってる。 大人に勝ちたい・・ けど現実にはやっぱり大人の方が偉くて 俺は何も言い返せない。 俺は学校以外はほとんど外に出ず、家で勉強していた。 「いい学校に行ってれば大人になると役に立つから」親父の口癖でもあり俺が親父に唯一教えられた事でもあった。 俺は一般家庭でいう「愛」というものを何一つ教えてもらえなかった。 俺は久しぶりに外に出た。 机に向かう自分に嫌気がさして・・ この外出が、後に俺の人生を変える事になろうとも知らずに・・・・
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