プロローグ

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「流石はルシア=クロラヴィッツ……実に面白いぞ! こいつを斬り殺せっ!!」 その言葉と共に一斉に剣を引き抜いて、ルシアと呼ばれた少年へと斬りかかる銀の鎧の兵士達。 縦薙ぎ、横薙ぎ、突きなどの様々な方向から少年へと向かう剣筋から見ても、集団戦術に長けていることが容易にわかる。 だが、ルシアはその剣林を高々と跳躍することで軽々と回避した。 そして、降りてきたかと思えば近場にいた兵士を鎧ごと真っ二つに斬り裂く。 それによって、辺りには赤い花びらのように鮮血が飛び散った。 決して腕力が強そうには見えない、華奢な体つきのルシア。これも、魔剣故に成せる所業なのだろうか? 「終わりか? 俺に斬り咲かれたい奴はいないのか? 華のように散らしてやるが……?」 「小癪な、第二陣かかれっ!」 その一声で呆然としていた兵士達にも一瞬にして士気が戻り、もう一度ルシアへと剣を疾らせる。 再び襲い来る剣林を前にルシアは剣を構えると口元を吊り上げ、ニヤリと笑った。 「狂想曲第一楽章“懺悔スル刹那”」 その言葉と共に消えるルシアの姿。 そして、兵士達の間を駆け抜ける一陣の風。 気がつけば辺りには血の雨が降り、ルシアは苦しそうな顔で兵士達の背後に立っていた。
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