2人が本棚に入れています
本棚に追加
どすっ、と校庭の真ん中に座り込む。
ズボンが汚れる?
知ったこっちゃ無い。
「……ケンジ?」
前触れも無く、背後から声がした。
振り向かなくても誰か分かる。
「どうしたんだ?
真愛」
「ん?
最期に学校に挨拶しよっかなっ、て思って」
隣にストンっと座る音がする。
「来てよかった」
コイツも人と会うのが久しぶりなのだろうか。
「あのね、お父さんも、お母さんも、皆……いっ」
亡くなったのだろう。
俺の家族も地震で死んだ。
「いっ、いなくっ」
なっちゃった。
言われなくても続きが分かった。
「……ケンジ?」
落ち着いたのだろうか。しばらくたってから声がした。
最初のコメントを投稿しよう!