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なんだコイツ、可愛い。超可愛い。 笑顔を向け続ける彼女相手に、支倉太一はただ見つめ返す事しか出来ない。 というかずっと見ていたい、という願望に囚われている。 記念すべき高校生活の1日目、入学式の日に俺は一体何をやっているんだ。 中学までの糞真面目な自分とサヨナラしようと一大決心をし、初めて買ったファッション雑誌を握り締めながら後ろ向きに髪を洗ってくれる前衛的な美容院なるものに突貫し、親友の相沢に不良の特徴を聞きだし、一人称を僕から俺に変える練習、初日の行動のシミュレーションに春休み全てを費やした。 その結果、俺は今見知らぬ女と2人きりで見詰め合っている。 素敵イベント過ぎてワケが分からない。 中学の時、髪を金色に染め上げていた田淵君はコロコロ彼女が変わると噂されていたけど、まさかちょっと素行を悪くしただけで女の子と見詰め合えるだなんて、世界というものは思った以上にチョロいのかもしれない。
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