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言葉にするとまたさっきの惨事を招きかねないので、表情だけで何の事か分からない、と返す。 口をへの字に曲げて小首を傾げている姿は、春休み中に習得した『必殺・不良フェイス』の一つ。 不良になろうとコツコツ積み重ねてきたスキルがこんなにも早く活かされていく現実に軽く眩暈すら覚える。 この分だと机に両足を乗せて椅子をガタガタと揺らす大技を披露する日も遠くないかもしれない。 伝わったのか伝わっていないのか、彼女は俺の表情から分かっていないことを読み取ったのか「そっかー」だの「マジかー」だのぶつぶつと呟いている。 「いや、私もね?今時ラジオはどうよ!?って思ったんだけどねー、違ったかー、そっかー……演出凝ったつもりだったんだがなー……」 俺何も言ってねえよ。と心の中だけで突っ込みを入れる。
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