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さっきまで浮かれておいてなんだが、冷静に彼女を観察すると何か言動がおかしい。 この人は春先にはよく現れるというちょっとアレでソレな人なんじゃないだろうかと思えてきた。 なんとなく不気味な感じがして後ずさると、彼女は手をぶんぶんと回しながら瞬時に間合いを詰めてきた。 「あ!ゴメンね!?ラジオ聞いてなきゃ駄目ってことじゃなくてね?それとはまた別のお話っていうか……「このお話は本編とは関係ありません」というか、そんな感じだから、気にしないで良いんだよ!!」 可愛い子、と春の陽気に当てられた可哀想な人、が天秤の上で激しく争い始めた。 何しろ彼女が何を言っているのか10割方理解できない。 同じ国の言語を使っている、という一点以外に共通点を見つけることが困難になってきた現状にさっきまでの浮かれた自分を殴り飛ばしたくなってくる。
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