序章

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大きな建物の地下にある大きなガラス張りの部屋に、一組の男女が最下層にある沢山の大きなポットを見下ろしていた。 男は不気味に笑うと口を開いた。 「時は満ちた。漸くあの子らを起動させられる。」 「だけど、良いの?政府は健康かつ優秀な人類を作る為に、私達に莫大な資金を援助しただけでなく、シティーまで作り子供達を集めて教育をしてくれたのよ。計画に協力してくれた政府に私達は政府の思惑を無視して、あの機能を付けてしまった。後でクレームならいいけど脅しがくるかもしれないわよ?」 側にいた女が男に忠告をするが、男はあれを造り始めた時から予想はしていた。 戦争終結後、只でさえ沢山の人が死に人口が少ないというのに、新兵器のせいで人間の人体が有毒ウイルスに冒され出生率が下がったことで、人類は滅びようとしていた。 政府は悩み、その問題を解決させる為色々としたが全て失敗に終わり、それでも諦める事が出来ず模索していた最中、2人の科学者が【あるもの】を持って日本に帰国して研究をしたいと言ってきた。 報告書に目を通し話を聞くと首相を含め議員達は驚愕した。 その内容はずっと彼等が悩ませていた【出生率を上げる為の方法】だったからだ。
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