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小学生の頃の俺はただひたすら死に対して恐怖を抱いていたものだ。
自分自身という存在が無くなってしまう恐怖。
自身が無くなるという事態を感じることが出来なくなってしまうという恐怖。
その状況が永遠に続くであろうという恐怖。
そこにあるのはただ…ただ孤独であるという恐怖。
これらの恐怖から逃れることは出来ないという絶対的な事実。
圧倒的な宿命…。
この恐るべき事実の前に、幼い俺は夜な夜なうなされていた。
俺にとっての哲学の旅は、この実存を失うことへの恐怖から始まったのである。
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