~第二話~

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――――あの後、智也は戻って来なかった… 戻って来たのは授業が始まってからで。 『智也…‥‥』 静かな屋上… 朝早いから誰も来る事はなくて。 静かなここからの景色が好きで、 毎朝来てる事を言ったら… “じゃあ一緒に行く” そう智也は言ってくれた。 だから智也は朝早く生徒会の仕事を終わらせてから、 私に付き合って毎朝屋上に来てくれてた。 かしゃん、フェンスに手をかけて… 下を覗き込む。 キーンコーン..カーンコーン.. …遠くで鐘の音が聞こえた。 『…授業… 始まっちゃったな…』 ぽつり…呟く。 ―――ピロリン♪ 同時にメール受信を知らせる簡単な音楽が鳴り響き… 『……智也…?』 ディスプレイに表示された “智也” の文字を確認して、すぐメールを開いた。 “ゴメン…今日も一緒に帰れそうにない” 久しぶりにメールが来たかと思えば、こんな内容で… 『……智也……』 知らずの内に… 私の頬を涙が濡らしていた。
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