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『おはよー葉月!』
『あ、おはよー優奈』
優奈は私の唯一の親友だ。
半年前、私と智也が別れの危機に立たされた時も
親身になって助けてくれた。
『うまくいってるみたいだね?』
にやにや、優奈は奇しく笑いながら私の肩を叩く。
『うふふ~おかげ様で』
私も笑いが止まらない。
はたから見れば、ニヤニヤ笑ってる怪しい女二人。
『でも智也くんはモテるんだからね?
油断してるとまた浮気されちゃうよー?』
『智也は私だけだって言ってくれたもん!
智也はもう…浮気しないんだから』
ぷく、と膨れた。
冗談だとわかっていても、全力で否定した。
『あはは、ゴメンゴメン。
有り得ないよね。
だって……』
笑いながら私の肩を叩く優奈の言葉を
『葉月ー?行こうぜ』
途中から割り込んできた声が遮った。
『あ、智也!』
私は顔が紅くなるのを感じながら…
迎えに来てくれた智也の元へと駆け寄る。
『じゃあ私行くね?』
一緒に待ってくれていた優奈をちゃんと振り返ってから。
『はいはい。
じゃまた後でねー?』
やれやれ、と優奈は呆れた顔で笑いながら手を降ってくる。
『うんっまた後でー』私も負けないくらいの笑顔で手を振り返して
『行こっか?』
『あぁ』
二人で教室を後にした。
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