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「……………微妙だな」
河川敷の芝生の上に座った長い髪を後ろに束ねた男はぶつぶつと呟いている。
「(あら、意外とイケメン)あの~、すみません。新撰組の屯所はどこですか?」
睦月が声を掛けるなり、その男は鋭い視線を睦月に投げ掛けた。
「………屯所に何の様だ」
「はい。恥ずかしながら入隊希望で」
笑顔で答えると、男はまじまじと睦月を見た。
そして、鼻で笑った。
「てめえみたいな女顔が入隊出来るわけねぇだろ。俺が許さねぇ。」
「貴方は何者です?」
薄々気付いてはいるが、
「俺は、新撰組副長、土方歳三だ。入隊したいなら一昨日来やがれってんだ。じゃぁな」
やはり。
土方歳三はそれだけ言うと去っていった。
「感じ悪いなぁ……何様のつもりよ」
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