女は美しく頼もしい

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親父が手術決心してくれてお袋も一安心だ 親父はまさか俺が泣くなんて想像してたかったろうな…俺が高校で事件起こした時、相手の彼女の家に行き、土下座して謝った親父の姿は未だに頭に焼き付いている 手術の日も決まりお袋は毎日病院に来てる。多少なりとも不安はあるんだろう この病院の待合室のロビーは豪華だ。ホテルのようである そういえばあの社長さんの奥さんもここで手術するっていってたよな 真紀に聞いたけど奥さんは結構有名なフラワーコーディネーターらしい あんまりイメージわかない。どちらかというとモデルとか芸能人みたいなオーラがあるから 足…どうしたんだろうな。交通事故にでもあったんだろうか?でも凜としてて華やかな人…やっぱり女神の嫉妬なんだ 『ちょっとあんた、荒木さんとこの息子さんじゃない?』と小柄なおばさんに声をかけられた 『あ、はい…そうですけど…』 『やっぱり(笑)駆け落ち事件の荒木君だね』 ええ?なんで知ってんだ 『覚えてない?私中井真紀の母親』 『あ、真紀ちゃんの!』ああそういえば!親父さん生きてる時はよく食堂食べに行ってた(笑) 『お久しぶりです。病院なんてどこか悪いんですか?』 『何いってんのよ!お宅のお父さん入院してるって聞いてお見舞いにきたんだ。私が保険の外交員してた時はお客さん紹介してくれたり、世話になったからね、で、どうなんだい?』 『手術したら、かなりよくなるんですよ。でも嫌がってたんですがやっと覚悟決めてくれて(笑)手術日も決まりました』 『あらまあ!よかった!部屋教えてくれる?』 『601号室です。わざわざありがとうございます』 おばさんは手を振りながら小走りでエレベーターに向かった
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