女は美しく頼もしい

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病院の中庭は広い お袋と交代して俺は中庭のベンチで売店の弁当を食べていた 休憩中の看護婦さんも、シートを引いて仲良くお昼ご飯を食べている 病院だがいい光景だ その中に見覚えのある看護婦さんがいた 綺麗で笑顔がステキ… …原千佐子ちゃん!俺の駆け落ち相手… 俺は思わず『原さん…ですよね?』と声をかけてしまった 彼女はびっくりして俺を見た。そしてニッコリ笑うと『荒木君?私いま西岡(笑)西岡千佐子よ』 少しだけ話しをした 彼女はあの事件から長野に転校した。大学にいくつもりだったが、看護学校に行こうと決意して、看護婦になったという 結婚して子供は三人。旦那さんは眼科の先生 彼女は小児科の婦長さんらしい 『毎日大変だけど、家は近いから(笑)子供は主人の両親みてくれてるし。荒木君も大変だったわね。でもお父様、直に退院出来るから(笑)もしなんかあったら私が手をまわしてあげるわよ』そういって、彼女はまた仲間の輪に入っていった 相変わらず綺麗だけど、あの時よりずっと強くたくましくなっていた
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