訳ありな二人

クリスマスの告白

１２月に入り、真紀の店もクリスマスっぽくなっていた

『クリスマスは予定あんの？店イベント？』

『したいと思うんだけどこの狭さでしょ？なかなか実現できないんだ（笑）だからクリスマスはいつも元カレとディナー行くだけだった。今年は一人だから焼肉食べにいって、トランペットいくかな。雄介は？』

『二日ともライブ入ってる。結構狭いとこなんだけど、昔からよくそこでライブさせてもらってたんだ。人数限定のライブ。来てくれる？』と俺はチケットを一枚渡した

『こんな貴重なチケットもらっていいの？』

『新伍にもあげたから二人でおいでよ』

『ありがとう（笑）』

真紀は小さな花束を作り始めたおもちゃのような

『何？それ』

『コロスケのお墓に置いてくるんだよ』真紀は裏口を出て、しばらくして戻ってきた

『あのアメショー？』

『うん、コロスケって呼んでたの。チビのくせに喧嘩ばっかりして、負けるとシュンとして裏で鳴くの（笑）勝った時は表ですまして私をみてる（笑）生き物っておもしろい人間も動物も変わらない証拠だよね』

そんな小さな命を呆気なく消してしまう人間がいる…俺は心の中で真紀にゴメンと謝った