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街はクリスマス一色だ
真紀にクリスマスプレゼントしたかった
でもなんとなく恥ずかしくて…そんなの自分で考えて買った事ないから
時々俺に気付いてサインを求めてくるカップル
みんな幸せそうに見えた。去年の今頃はまだ俺もそれなりに幸せだった
真紀だってそうだった
人生ってのはこうも違う方向に曲がってしまうもんなんだろうか?
あの猫も去年は真紀に可愛がられて幸せだったろ
街をうろついてたら寒くなった。俺はニット帽を深くかぶり、近くの喫茶店に入っていった
ブルマンを頼むと暖かい店の中でぼーっとしていた
その時店員さんが『相席いいですか?』と尋ねてきて、はいと答えた
『縁がありすぎだな(笑)』社長だった
『こんにちは、奥さんどうですか?』
『もう松葉杖で歩いてるよ。でもそれ無しでも歩きたいって毎日リハビリさ』
『頑張りますね。うちはぶじ退院できました(笑)久しぶりに家で正月すごせるって喜んでました』
『よかったな(笑)真紀はどうしてる』
『今は元気なんだけど…』
『何かあったか?』
俺は今までのイキサツを社長に話した
『まったく…俺にまで遠慮しやがって』
『今回は俺が元妻にきちんと話し合ってけじめつけてなかったのがいけなかったんです…言うがままになってたというか。情けない話しです』
『そんなに気にすることないさ。真紀は必ず立ち直るから。まだ付き合ってないのか?お前ら』
『そ、それはないですよ!真紀だって今年彼氏と破談になったばかりだし、俺みたいなバツイチ…』
『俺は似合ってると思うけどな。リルは真紀が君に惚れてるって言ってたぞ(笑)』
『まさか(笑)』
俺は口から心臓が飛び出そうになった
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