1 火狼の薔薇姫

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主人からの辛い虐待。 いや、虐待ともいえないのかもしれない。 ただのお仕置き。 主人たちはそう思っていたのかもしれない。 代々薔薇姫はこの家の奴隷として住み続けている。 だからもう慣れたことだがやはりつらいものはつらい。 こき使われ食事も一日一食。 小さなパンと牛乳のみ。 仕事がないときは主人に玩ばれ子供からも罵られ、肉体的にも精神的にも疲れきった彼女。 こんな奴隷にどうして薔薇姫という名が与えられたのか不思議である。 彼女は今、屋敷の掃除を一人でやっていた。 ここで逃げることはたやすい。 一応ボロボロの服は着ているし身なりもある程度のことはしてある。 しかし、ここから逃げるには屋敷を守る警備員を倒さなくてはならない。 核兵器としての力も使えずフラフラの彼女が倒せるわけがなく、結局、主人にきついお仕置きされるだけだった。 仕方なく毎日綺麗なままの屋敷を磨き続けることをする。 「いやだ…」 ときどき一言呟くことがある薔薇姫。 それを主人に聞かれたりすれば即お仕置きされる。 それでも呟いたりしないとやっていけない。 今日は運が悪く聞かれてしまった。
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