1 火狼の薔薇姫

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「なにが嫌なんだ?」 主人の顔がみるみるうちに悪の顔になる。 「もっ申し訳ございません」 必死に謝る薔薇姫。 そんな声なんて聞こえないかのように彼女の髪の毛を引っ張り拷問部屋へ歩いていく主人。 「いやいやぁぁ!!!痛い痛いっ」 泣き喚く薔薇姫。 怖さと痛みで余計に声が大きくなる。 だが無意味に叫んでも誰も助けてなんてくれない。 助けられない。 しかし、今日は違った。 「おやおや…君は何をしているのかね?」 背が高く綺麗なスーツに身を包んだおじさんが薔薇姫を見下ろしていた。 そのおじさんは彼女に微笑み主人を睨みつけている。 優しそうなおじさん。 「お客様の前で…お見苦しい姿を見せてしまいすいません」 主人が薔薇姫の髪を離して頭を下げた。 彼は闇関係のことをしているらしく、よく主人を助けているみたいだ。 「お嬢さん大丈夫かね?君はなんていう名前なのかな?」 優しく彼女に手を差し出し微笑むおじさん。 薔薇姫はその手に一瞬躊躇して掴まり立ち上がった。 そして 「ありがとうございます。私は火狼の薔薇姫といいます」 と小さく呟いた。 主人はそんな二人の会話を苦笑いしてみている。 「薔薇姫…君はもしかして…」おじさんがそっと手離して主人を見た。 主人は頷いて 「あの人間核兵器ですよ彼女は」 微笑み言う。 その言葉を聞いておじさんは驚いている。
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