「教室、の奇」

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  その日は朝から雨が振っていて、私は教室でその雨をみていた。   雨に濡れるなんて真っ平ごめんだ…   傘が無い私は、ただただ、雨が止むのを待った。   次第に生徒が減っていき、教室には私だけになってしまった。   (あら…もうこんな時間)   時計の針は六時を指していた。   何時もなら非番の先生か、警備員さんが注意しに来るのだけれど、まるで人の気配が無い。   (もう少し、待とうかしら)   先程より雨足を弱まったように見えたからだ。  
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