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部屋に入ってやっと颯は自分がまだ制服に薄い上着を羽織ったままだということに気付き、
Tシャツとズボンを取りだそうとして、
もう寝着でいいかと開ける引き出しを一段下げた。
「やっほ颯」
「…っ!?」
後ろからいきなり耳元で囁かれ、驚いた颯は引き出しの中身の一部を相手に投げつけた。
「…痛い」
「だったら普通に入ってこい」
小夜はそんなのつまらない、と唇をつきだして颯のベッドに腰を下ろした。
「で、伝言だけど」
本題に入るのが早いのは、彼らの特徴だ。だから海鳴も小夜に頼んだのだろう。
正確に、かつ迅速に伝えなければならないから。
──だったらさっさとオッサン来いよ。
そう思いつつも小夜に目を向ける。
「今回のリクエストは、殺人ナッシングがメインテーマです」
「ってオッサンが?」
「そのまま覚えて来たからね」
小夜が頷きながらどちらも発音のいい日本語と英語で意味の判らない海鳴流伝言を始めた。
「俺あんまし英語判んないんだよな」
「ジャーマンだから?」
「そ」
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