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次の日、4/17。
颯は佑稀へのモーニングピンポンとやらを済ませ、自室でパンを齧っていると、窓がドンドンと叩かれた。
「何だよ…」
ガコン、と窓を上に上げると、外には麗がいる。
「お前…ここ女子禁制だろ」
「まーね。でもまだ早いし、誰も居ないから!」
「…まだ六時だからな」
「早起きって辛いね!だって私ここまで一時間掛かるもん」
やる気満々だな、と密かに突っ込んで、颯は麗に腕を引かれ寮の外へ連れて行かれた。
「でね、上谷。今回、小夜君が単独、私らは二人で行動するみたいだから、宜しく」
「小夜が単独?」
「うん。あの子が頼りにならなきゃ誰がなる!」
「…知らねぇよ」
一本立てた人差し指をこちらに向けた麗に颯は思いきり嫌な顔をして、麗の人差し指を握りこんだ。
その手に麗も手を重ねてくる。
「でもま、宜しくね」
「こちらこそ」
久々の畏まった台詞の挨拶に妙な気分になり、
そして結局麗の時間潰しに付き合うことになる颯だった。
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