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「医者関係ってこと?」
「いーえ、狂人ということです」
「きょうじん?」
麗が狂った人、と付け足して、颯がやっと理解する。
「で、だな。このままだと加害者は一人どころでは満足出来なくなるだろう、ってことで緊急だから。ヨロシク!」
人差し指と中指を立ててサインをすると海鳴は保健室を去って行った。
「頑張ろ、上谷」
「まず被害者を調べるか」
「了解っ」
二人の捜査が始まった。
「小夜今日早退するの?」
隣の席の女子、笹岡深波が小夜の机の上のランドセルを見て問いかけた。
「ん、だから僕の分も給食食べといて」
「取り合いだよね~」
深波が笑ったのに合わせて小夜も笑い、
後ろの男子、椎名武留と明日の持ち物について連絡してくれると約束をする。
「じゃあね」
ランドセルを背負い、バイバイの嵐になっている教室に手を振って出ていく。
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