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「で、どうしたかな」
「変態から聞いてない?連続殺人事件」
「変態…沢見さんの事?今忙しそう、あの人」
「ふーん…」
小夜は説明の面倒臭さに目を泳がせてから、ランドセルを出して膝に乗せ両腕で抱えこんだ。
「ちょっと連続どころじゃなくなりそうな事件があってさ、それの芽をチャチャッと潰そうかって」
「チャチャッとじゃ行かないんじゃないか?」
乃鴉の指摘にまぁねと肩をすくめて、小夜は足をぶらつかせた。
しかし乃鴉の反応は飽くまでも申し訳なさそうだ。
「でも、エリアが違うしオレじゃ役に立てないよ」
「…言ったじゃん?」
「え?」
不敵に笑う小夜に訳が判らないと乃鴉は首を傾げた。
「“連続どころじゃ済まない”って」
聞いて乃鴉も、呆れたように手を頭の後ろにやった。
降参、というより敗北か。
「よくそこまで考え付くよ、了解」
「アリガト」
乃鴉の嫌味を誉めと受け取って乃鴉が差し出した右手を小夜の左手で軽く叩いた。
「沢見さん…どうするかな」
「ヤだよ、変態だもん」
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