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「…じゃあ、出掛ける、よな」
「云…あれ、そういえば、海鳴って英語通じないよね?」
「その筈だけど」
おかしいな、と小夜が首を傾げながら乃鴉が用意した上着を受け取り、羽織る。
「新しい匂い」
「30%offだったから」
ジュニアサイズの服を乃鴉が一人で買ったのか。
「絶対乃鴉変な目で見られたでしょ、ショタコンかって」
「ちょ…小夜何処でそんな」
小夜の言語の真新しさにショックを覚え、乃鴉は小夜を追い掛けた。
──
「一人目、小方誠」
聞き覚えのある名前に颯の手が止まる。
「!…あのなんだっけ、凄く若い社長ってテレビでやってた…」
「そ。よく知ってるね上谷」
二人は警察から拝借して来た例の事件の被害者リストを模写している最中だった。
「…ちょい待って上谷」
「?」
「漢字…私書くから」
平仮名が散らばるノートを麗が奪い取ってペンで書き直す。
「絶対不利だよな」
「いや、上谷はね?」
サラサラとペンを走らせる麗を見て、颯は首を傾げた。
「あー、もう何でこんな人殺す訳?」
それには颯も同感だった。
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