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「腕疲れるじゃん!」
──…腕?
どうやら、被害者を想ってのことではなかったらしい。
「だから書くって…」
麗の肩に手を掛けるが、反応はなく、颯は止まることを知らないペン先を見つめた。
「…そういえば何で私達捜査してるの?」
「事件が起こったきっかけを見つけて、それを修正するから」
「あー、そっか!」
明らかに麗も判っていた筈なのに、どうして聞いたのだろうか。
「小夜君何してるかな」
被害者全員を書き終え、二人は警察の近くの公園のトイレの陰に居たのだが、麗が立ち上がる。
「小夜?…後で電話するか」
「宜しく、って上谷また寮帰りのお時間?」
「…げ。じゃ、また明日」
「うん」
颯は手を振る麗に軽く手を振り返して走り出した。
──
「じゃあ小夜、今からオレらは何を?」
「そうだなぁ、颯達が被害者の名前とかについては調べてくれる筈だから…」
小夜が顎に握った手を当てて考え込む。
「それを基に共通点を調べ上げよう。僕らには時間がある」
「義務教育だからな」
「おぅよ」
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