煌_始動

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区立、櫻田高等学校。 現在4月16日。 まだ慣れない高校生活の中で、それぞれ自らが見つけた“友達”と“グループ”の中に捌けていく中、そんなものを必要としない男子生徒に一人の女子生徒が近付いた。 「あー疲れたー…!ね、上谷」 「何」 「いや、今のは同意を求めたんだけど…」 女子生徒は妙に短いスカートを片手で押さえながら──押さえるなら短くしなければいいのに──そう思いながら上谷颯は、雛崎麗を完全無視し、教室を出ていった。 「ちょ、上谷ー!?」 麗が走って付いて来るのだが、颯は速度を落とさない。 ちょっぴりそういう思い遣りに欠けているのだ。 「上谷ってば、ねぇ」 やっと追い付いて颯の背中を叩く麗に、颯は思いきり振り向いた。 「お前さぁ」 「な、何?」 「あんまし学校で俺に近寄るなよ…バレたらどうする!?」 早口で捲し立てる颯に、麗が少し後ずさって髪を触る。 「バレないよ。バレたら上谷のせいだもん」 「お前公私混同って言葉知らない訳?だからお前は…」 地面の土を靴でいじって、麗が知らぬ顔をする為に、颯は思いきり溜め息をついた。
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