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一方颯は、階段を昇ろうとした時に一人の教師、暁海鳴に足止めをくらっていた。
「退けよ変態教師」
「いや、俺教師じゃないって。保健の先生だもん」
「教師だろ」
「校舎内は走るなよ、ってことを言いにね」
「よく言うよ。お前この前三階から飛び降りて帰ってただろ」
次々に言葉を発する颯に海鳴は諦め顔で、階段から退いた。
さっさと通り過ぎようとした時、海鳴がすれちがい様に呟いた。
「集合」
…と。
自分と麗の荷物を片手に、颯は教室を再び出て、足早に校舎を去り麗に荷物を投げた。
「ありがと」
「別に」
本当に別にという顔をしてから、颯が帰ろうとした麗を呼び留めた。
「雛崎」
「んー?」
「集合、だってさ」
麗は少し考えてから、
「了解!」
と笑顔になった。
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