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「集合って言ってもさー、公園の土管じゃぁね」
「格好つかないな」
「やっぱ上谷も思うよね!」
身を乗り出して麗が嬉しそうな顔をするのだが、そこまで──麗と共感出来るまで──思っていた訳ではなかったので、颯は目を伏せた。
麗はそんな颯に、もう慣れたと言わんばかりに表情を切り替え、最早夢の世界に旅立ちそうな颯に声を掛けた。
「…にしても遅くない?こんな公園に高校生二人おいといてっ」
よいしょ、と麗が土管の上に腰を降ろし、またスカートの裾を押さえた。
癖なのだろうか、と颯が何と無く見ていると、麗が不思議な目で見返してくる。
いや、見下してくる。
「何?私パンツ見えてる系?」
「…見えてない。残念だけど」
「見せないよ?」
「ご随意に。見たくないし」
しれっと話を終わらせる颯の背中に、麗はローファーのままキックをかました。
「あれ?麗が女王様になってる」
素っ頓狂な声で現れたのは、多分黒澄小夜(颯は現在前屈み)。
「えへ、バレた?」
「雛崎…っ小夜」
「大丈夫、ドMな颯も大嫌いだから」
「嫌いなのかよ」
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