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「千年様。朝です」
八尋の声で眠たい眠たいと開かない瞼を抉じ開け千年はぼさぼさに跳ねた髪を触りながら立ち上がった。日は上っている。角度からして八時位であろう。
「まだ寝れる……」
「駄目ですよ。霊夢さんが私達の分の朝食を作ってくれているのですから」
「むむ、霊夢がわざわざ私の分を?なら起きなくてはな」
八尋はふらふらと左右に揺れながらも霊夢の着席している居間へ辿り着いた。
「おはよー霊夢ー」
霊夢も挨拶を返し含み笑いをする。
「貴女まだ八歳なんでしょ。もう萃香みたいな親父癖が付いてるわよ」
「なっ!?私は虎熊の娘だぞ!親父癖とは失礼な!」と顔を真っ赤にしながら怒っている顔が非常に可愛らしい。
騒ぐ千年を宥め、三人で朝食をとる。二人食べ終わる。早い。
「鬼ならこの位当然だ!」
「です」
「味わうつもりがないなら砂利、草でも食べてなさいよ!」
飛んでくる御札を避けながら二人は外へ出た。すると視界に陰りが。
二人が見上げると。
「危ないぜ。避けろ!」
人が、降ってきた。千年が呆けて降ってくる人を見ていたので八尋は千年を担いで飛び退いた。
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