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少しの間飛び続け巫女の降り立った場所は神社。参拝者は見当たらず。
神社の回りに妖気が充満しているからな、と八尋は納得し巫女の髪に結ばれているひらひらとした赤いリボンを見ながら着地する。
「そこへ座りなさい」
縁側へ指示され黙って八尋は座る。千年はお姫様抱っこしたままである。巫女は千年を見て口を開く。
「そいつさ……」
「『千年』様、です」
「ああ……千年は、角、無いの?」
「あります」
巫女はもう一度千年の頭部を確認するがやはり角はない。首をかしげ、まぁいいかと自分も縁側へ座る。
「あんた名前は?」
「私は虎熊千年の遣いの八尋です。貴女は?」
「私は博麗の巫女」
「違う」
は?と巫女は口をポカンと開けるがすぐに納得。
「貴方中々細かいわね。博麗霊夢よ。よろしく」
「霊夢と言うのか!私は虎熊千年だ!鬼だぞ!歳は八歳で、まだ酒は呑めない!」
千年は急に自己紹介を始めた。急に騒ぎ始めた主人を八尋は羽交い締めにして止める。放せと騒ぐ千年を見て霊夢はクスクスと笑う。
「貴女、人間の子供みたいね」
「人間は鬼より弱い。一緒にするな」
「私に負けたのは誰?」
「う……、うーん」
「余り主人を苛めないでくださいよ」
八尋の牽制で霊夢は千年を弄るのを止める。
「鬼が今更何しにきたの?」
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