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ただの引っ越しですよ、と八尋が言う。霊夢はそれで納得してくれなかった。
「どうやって此方に来たの?」
「八雲紫のスキマで」
「どう情報のやりとりをしたの」
「私はあの方と知り合いでして、私の能力で彼女に幻想郷とのスキマを依頼したのです」
今度は納得したようで霊夢はそのまま後ろに倒れこんだ。
「もう鬼は要らないわよ。紫の奴…」
「霊夢さん、もしや此方にいる鬼とは酒呑童子では?」
霊夢は聞いた事があるようなその単語を頭から引きずり出し。
「何それ知らないわ」
……引きずり出せなかったようだ。空かさず千年が声をあげる。
「萃香って名前だ!」
「ああそれそれ。萃香よ萃香」
霊夢は適当に返答しまた愚痴を溢す。どうせまた宴で酒代がなんたらとか。
「おぉ、八尋の言う通りだ。人間とは悩む生き物だ」
何も知らない純粋無垢な千年を見てまたため息を一つ吐いた霊夢だった。
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