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「鬼の掟って何よ?」
「新しい鬼の土地から出ない事です」
八尋がそう言い霊夢は萃香に指差す。
「こいつはいいの?」
「この方は霧になるので止められません」
「流石萃香だな!」
「だろー!」
鬼の二人は相性が良いらしい。
「萃香様がいた時は時々千年様と遊んでくださっていたんです」
成る程、と霊夢は納得する。
「どうりでなついているわけだ。ところで八尋、貴女、何処か住む宛はあるのかしら?」
うーんと八尋は胸の下で腕を組み考える。見せつけているのかしら、と霊夢は少し眉を傾ける。
「ない、ですね」
八尋は困った顔で霊夢をちらちらと見る。「あー」と霊夢は八尋の目から逃げようと顔を反対に向ける、と。
「じぃ~」
千年が前髪を手で上げて大きくくりくりした双眼で霊夢を見る。顔が近い。
「……。分かったわよ。とりあえず住む場所が決まるまで、ここに居なさい」
しめた!と言わんばかりにいやらしい笑顔でガッツポーズをする八尋を見て千年と萃香は苦笑いした。
八尋は昔から、交渉(?)成功したらいやらしい笑顔をするのだ。残念ながら霊夢はその顔を見る事は出来なかった。みたら間違いなく追い出そうとするからだ。
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