第一章

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「鬼の掟って何よ?」 「新しい鬼の土地から出ない事です」 八尋がそう言い霊夢は萃香に指差す。 「こいつはいいの?」 「この方は霧になるので止められません」 「流石萃香だな!」 「だろー!」 鬼の二人は相性が良いらしい。 「萃香様がいた時は時々千年様と遊んでくださっていたんです」 成る程、と霊夢は納得する。 「どうりでなついているわけだ。ところで八尋、貴女、何処か住む宛はあるのかしら?」 うーんと八尋は胸の下で腕を組み考える。見せつけているのかしら、と霊夢は少し眉を傾ける。 「ない、ですね」 八尋は困った顔で霊夢をちらちらと見る。「あー」と霊夢は八尋の目から逃げようと顔を反対に向ける、と。 「じぃ~」 千年が前髪を手で上げて大きくくりくりした双眼で霊夢を見る。顔が近い。 「……。分かったわよ。とりあえず住む場所が決まるまで、ここに居なさい」 しめた!と言わんばかりにいやらしい笑顔でガッツポーズをする八尋を見て千年と萃香は苦笑いした。 八尋は昔から、交渉(?)成功したらいやらしい笑顔をするのだ。残念ながら霊夢はその顔を見る事は出来なかった。みたら間違いなく追い出そうとするからだ。
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