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神崎からは少し怯えた様子が伺える。それを見て立腹の男はさらに苛立つ、そして神崎に向け静かに問う。
「神崎、手前もしかして怖じ気づいてやがんのか?」
「なっ! そんなわけないじゃないですか芝浦さん!」
神崎が真っ赤な顔をして立腹の男――芝浦に反論するが、芝浦は静かに返す。
「本当か? 俺の予想が当たってりゃ、怖じ気づいてたら田宮達と同じ目に遭うぞ?」
「よ、予想ってなんのですか?」
「侵入者がどんな奴かって事だ」
「分かるんですか!」
神崎が食い付く。芝浦はやれやれと首を横に振りながら話始める。
「俺の予想が当たってりゃこれは……切咲の鬼共の仕業だろうな」
「切……咲?」
「なんだ、切咲を知らねえのか?」
「はい」
首をかしげる神崎を見て芝浦はため息を吐く。
「ハァ……宮原、説明してやれ……」
「はい。切咲とは五大殺人一家の一つ、殺人鬼集団切咲衆の事です」
「はあ……」
神崎がよく分からないといったような表情で頷く。
「田宮達の四肢に短刀を突き立てていたというやり口を見る限り、今回の下手人は【食人嗜好(イーターチャイルド)】にほぼ間違いないでしょう」
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