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『前置きが長げぇんだよ!
てか、ハンニバルのアルプス越えからなんで恋愛に発展すんだっ!小論文なら平均点以下確定の論題移動だな!』
叫ぶ輝夜。しかし、亮はどや顔で、
「俺、オール九十点代」
『はいはい。俺は全部満点ですよ』
むぐっ、作戦を間違えたか。亮は思わず携帯を握りしめる。
『で、恋と愛の違いだっけ?世間一般では、恋は下に心だから下心、愛は中心に心だから真心、なんて話もある……。
だが、俺の持論は違う』
結構上手いのにな、と亮は思いつつも毛利の話に耳に傾ける。
『そもそも、恋と言うものは欲望の炎が理性という名の鎖を焼き切り燃え上がる――言わば、芸術!下心などという低俗な表現では表し切れず。また、愛も……』
「ねぇ、さっきから亮は何の話をしてるの?なんか、愛とか恋とか」
「いやぁ、……あれだ!なんか恋愛小説にはまったみたいでよ」
部屋に二人も既に落ち着いた中、亮と輝夜の論議は数時間にも及んだ。
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