3716人が本棚に入れています
本棚に追加
亮は佐奈の作ったチャーハンを口にしながら震えていた。
星太と佐奈の一件は、近所の誰かが止めると思っていた。しかし、通りかかったおばさんは、
「あらあら、佐奈ちゃんったら。相変わらずお転婆ね」
と口に手を当てて、微笑ましいものを見る始末。
あらあらじゃねぇよ!お転婆って話じゃ済まねぇよ!とは亮の言葉。
もしかしたらこの辺一帯を佐奈は支配しているのではないか。近所ながら不安になってきた亮であった。
「ところで、午後はどうする?」
そう。勉強会は午前中のみ。午後は遊ぼうという話になっていた。しかし、無理。星太の援護射撃兼身代わりがないと、今の佐奈を口説き落とすなんてできない。と、そこで亮は思う。
(あれ、いつの間に口説く話になったんだ?)
そもそも、星太に暴言はあれど感謝する必要があるのか?
亮は思う。必要ないと。
その後、佐奈との会話に適当に相槌を打っていた結果、星太の帰りを待つことになった。
最初のコメントを投稿しよう!