◇小さき溝

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亮は佐奈の作ったチャーハンを口にしながら震えていた。 星太と佐奈の一件は、近所の誰かが止めると思っていた。しかし、通りかかったおばさんは、 「あらあら、佐奈ちゃんったら。相変わらずお転婆ね」 と口に手を当てて、微笑ましいものを見る始末。 あらあらじゃねぇよ!お転婆って話じゃ済まねぇよ!とは亮の言葉。 もしかしたらこの辺一帯を佐奈は支配しているのではないか。近所ながら不安になってきた亮であった。 「ところで、午後はどうする?」 そう。勉強会は午前中のみ。午後は遊ぼうという話になっていた。しかし、無理。星太の援護射撃兼身代わりがないと、今の佐奈を口説き落とすなんてできない。と、そこで亮は思う。 (あれ、いつの間に口説く話になったんだ?) そもそも、星太に暴言はあれど感謝する必要があるのか? 亮は思う。必要ないと。 その後、佐奈との会話に適当に相槌を打っていた結果、星太の帰りを待つことになった。
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