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「なんだか懐かしいね。二人でこの部屋にいるのも」
「そうだな」
「あの頃は亮の趣味で、毎日和服着てたっけ」
「……嘘だろ?」
「はぁ?自分でやらせといて忘れたの?……最低」
佐奈からは軽蔑の眼差し。話は切れた。
亮は疲れた身体を横にして本を読み始めた。星太の作戦も糞もない。やってられないとばかりに手に取ったのは、買ったばかりの三国志の小説。といっても、作者が違うだけでシリーズとしては五作目にあたる。
一方、佐奈も何か読むものを探しているのか本棚へ。そして、机、ベッドの下――、
「って、何やってんだ、くそアマっ!」
「いや、ちょっと好奇心で。亮も思春期だし、そういうのあるかなぁ、って」
「馬鹿か。星太じゃあるまいし」
「あぁ、確かに星太の部屋にはあったわね」
「だろ?全くあいつと一緒に――って、ちょっと待て!」
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