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「そうそう!あの一太刀だって当たってたら絶対気絶ものだしな!」
試合の内容を楽しそうに話す亮に、佐奈はついついため息をつく。
「いいなぁ……。あたしも戦いたかったな」
しかし、門下生トップ2の二人の内どちらが戦うかは、予めじゃんけんで決めたので文句も言えない。
その事も相まって、佐奈は不機嫌そうに唇を尖らせていた。
「拗ねんなって。来月の遠征では、お前が一番強い人と戦っていいから」
「いーや、その次のもよ!
分かった?了解?はい、決定っ!」
「お前なぁ……」
毎度のことながら、彼女の独断専行に亮は苦笑いを浮かべる。奇しくも、先程二人の師範が感じていたものと同じものを。
「りょおー、携帯なってるぞー!」
ちょうど良いタイミングで仲間に声をかけられる。亮は連絡先の人に心の中で感謝し、携帯のある休憩室へと向かった。
「なんだよ、お前か」
『なんだよとは、なんだよ』
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