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忘れられない
でも忘れることは
容易いことじゃなかった。
実際、忘れることなんて
出来やしなかった。
それがとても苦しくて…
悲しくて…
切なくて…
もどかしくて…。
「……っ…ふ…っく…」
オレの瞳からまた
大粒の涙が溢れだす。
佑帆様が好き。
その想いは消せない。
それがとてもつらい…。
まだ15歳のオレに
この現実が突き付けられる
ことは残酷すぎた。
どうして佑帆様を…
愛してしまったのか…。
答えは見つからない。
オレさえも解らない。
答えのなき大きな壁。
その乗り越え方も
オレは解らない。
どぅして佑帆様…
「…ぉや!」
「えっ…?」
オレは誰かが呼んでいる
その声に気づく。
聞き覚えのある声だ。
その声に胸が締め付けられ
苦しくなってしまう。
心にさえ響く声。
大好きな声。
いつも聞いている声。
オレの耳は確かだった。
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