甘えたいオレ

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オレは御主人に甘えたい。 甘えたくなる。すごく。 とても愛しいんだ。 なんでだろう…。 「御主人っ!」 オレは想いのまま、 素直に佑帆様に甘える。 だって好きだから。 誰よりも側にいたいから。 近くに…もっと近くに。 そう思ってしまう。 イケナイことなのに…。 そう分かっていても 無性に甘えたくなるんだ。 すごく。 佑帆様に気付いてほしい。 オレの気持ちを。 そう思ってしまう。 叶わない願いだけど。 それでも甘えていたい。 だって好きだから…。 それなのに… 「尚也、どけ。」 いつもこの一言だ。 冷たい瞳と表情で見て、 吐き捨てるように言う。 …ひどい。 佑帆様ひどいよ…。 オレはこんなに 佑帆様に甘えているのに。 愛しているのに…。 オレはつらい。 悲しい。寂しい。苦しい。 佑帆様は少しも 相手にしてくれない…。 構ってくれない。 オレの瞳から涙が溢れて 頬を伝って流れていく。 すごく悲しいんだ。 佑帆様、わかる? 「御主人…様…」 「…っ?!尚也っ!?!?」 佑帆様は驚いたみたいで 目を見開いている。 「佑帆様は…オレのこと… 好き…?」 「……っ!?」 佑帆様は顔を赤く染める。 初めて見る佑帆様の…照れて恥ずかしそうな顔。 なんて可愛いのだろう… オレはドキッとした。 いつもとは違う… 佑帆様の顔。 オレは佑帆様をますます 好きになるばかり。
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