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でも…佑帆様に
認められるワケない。
こんな無礼にあたる
同性への恋なんて…。
願っても叶わない想いだ。
届くこともないだろう。
それでも好き…。
だからこうやって
必死に使用人をしている。
なのに…
「は…っ、何を言うんだ尚也。お前は使用人で俺は御主人。恋愛なんて考えられない。それに男同士だ。…ありえないだろ?」
そう言って佑帆様は
ごまかすように笑う。
途端にオレは
ショックに襲われる。
とても大きなショックに。
オレは一瞬の間、
呆然とした。
しだいにそれがはっきり
明確になってきて…
オレの瞳から涙が溢れた。
実感が湧いてしまって…
ホントは泣きたくない。
御主人様の前で。
こんな姿を見せたくない。
だけど流れてくる。
とめどなく溢れてくる。
何か思いが詰まる。
自分でも分からない。
そしてオレは言う。
ひどい事を言ってしまう。
佑帆様に。
「………どぃょ…」
「えっ?」
「ひどいよっ!!
佑帆様のバカ!!
もう知らないっ!!」
そしてオレは走り出す。
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