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「会いたくないわけじゃないの。」
ポツンとつぶやいた言葉は確かに本音なのだろう、ユリアは黙って言葉の続きを待った。
「ただね、のりが合わないっていうか…テンションについていけないというか…」
「ああ、私たちの可愛い天使!」
「そうそう、そういう恥ずかしい言葉を恥ずかしげもなく言ってくるところとか」
「そこにいたのか、僕らの愛の結晶。女神の娘よ」
「こういうくさいセリフを真顔で言ってくるところがちょっと苦…」
リナは急に立ち止まり恐る恐る顔をあげた。
道の先には旅行用のマントを羽織った男女が互いの腕をからませたままうれしそうにリナに手をふっている。
「おいで、シェルベリーナ。」
「あなたの可愛らしい元気な顔を見せてちょうだい。」
リナは顔をひくつかせながら一歩後ろにさがった。ユリアは相変わらずニコニコしながら、
「言い忘れてたけど、リナのご両親が皆さんより先に到着なさったから、呼んできてくれないってソフィアおば様に頼まれたの。」
と言い放った。
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