悪ノ娘 終の鐘

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帰った時、いつもと変わらないリンの笑顔があった 「レン―明日のおやつはなぁに?」 「気がはやいなぁ姉さん…」 姉さんも少しは僕を気遣ってくれているのだろう… 「教えてくれるくらい、いいじゃない」 姉さんはまるで子供みたいに無邪気に笑う… 時計をみると12時をまわっていて明日というより今日だ… 「わかった、わかった…今日のおやつはブリオッシュだよ」 「本当?レンも一緒に食べましょうね」 「うん」 「…なんか元気ないね…レン…私のわがままで」「大丈夫だよ」 僕はリンの言葉を遮って話した きっとあの娘の事で心配してくれてるのだろう たしかにそれもあるけど…僕にはもっと気にかけないといけないものがあった… 僕は姉さんとの幸せな時間がずっと続く事をどんだけねがったか… それでもこの願いが叶う事はなかった… 姉さんも僕も普通の家に生まれていたら… こんな悲しい思いをしなくてすんだのかな?
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