緑ノ娘

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私は彼との待ち合わせ場所へと向かう 噂って…広がるのはやいなぁ… 私はわかっていた…わかってるけど …わかってたから私は彼に会うの… 最期は貴方に終わらせてほしい… しばらくすると彼がやってきた… 今にも泣きそうな顔で私に笑顔をみせる… 作り笑いをしているのは、すぐにわかった… 私も彼を安心させたくて微笑んだ 「……っ…」 後ろを向いたまま震える彼を見て 私は何も知らないふりをして話しかける… 「どうしたの…?」 彼からの返事はない… 私は震えたままの彼に近付いて ナイフを握って震えている手を優しく包むように握る… 「き…気付いて…いたん…で…すか…?」 声で涙を堪えているのがわかる 私は静かに頷くと ナイフを彼の手と一緒に誘導して、自分の胸へと突き刺した… 鳴呼…熱い痛い…私の頬をなにかがながれていく… 彼が何かを必死に喋っている… 聞きづらいけど 謝ってるみたいだ…謝らなくてもいいのに… 短い恋が出来た事名前も知らない彼に…心から感謝した ありがとう… 本当はずっと前から誰かに終わらせて欲しかった… シナリオ通りに生きるのが嫌だったから… ても最期にシナリオにない事が出来た事… 彼に終わらせてもらえた事 本当にありがとう もう私の声が彼に届く事はないけれどもう一度だけ… 《ありがとう》
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