プロローグ

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藍那『富士山の火口内って言ってもそんな暑くないのね…… 今、あの中であなたは眠っている。 スペリオルは起こしてあげようかって言っていたけど……断っちゃった。』 先程とは違い、悲しい表情を向ける藍那。 藍那『今写っている私は25歳…… いつの間にか、17歳のあなたより年上になっちゃった。 あなたは気にしないと言うと思う…… でもだめなの。 私ね、今は国連の司令をしてるのよ…… だから、あなたとは会うことは出来ないの…… 国連はまだスペリオルを敵だとしてる。 確かにあなたは火の七日間という大災害を引き起こした…… でも、それはあなただけの所為じゃない。国連が悪いの。 スペリオルから聞いたわ。あなたは町を守ろうとして闘った、でも国連は町ごとあなたを殲滅しようとした。 だからそれを証明するまで会えない……』 だが、藍那はそう言った後、大粒の涙を流す。 藍那『でも、会いたい…… 会いたいよ……… あなたに会いたい…… ……ねぇ ……覚えてる? 夏の雲とか、 時々降る冷たい雨とか…… 秋の風の匂いとか…… 傘に当たる雨の音とか、 春の土の柔らかさとか…… 放課後のひんやりとした空気とか…… 黒板消しの匂いとか…… 夕立の後のアスファルトの匂いとか…… 誰かが……… 隣にいる、時の安心する…… 感じとか……手を……つない、だ……ときの……温もりとか………』 そういって泣き崩れる藍那、勇司も知らずのうちの目から大粒の涙を流していた。 藍那『ごめ、んね……泣いちゃ、駄目だよね…… でも、これだけは言わせて…… 私は正義の味方を目指すあなたが好き…… 勇司、言ってたよね。大事なのはどうしたらいいかじゃない、自分が何をしたいのかだ。 って……あなたはそれを貫いて……』 勇司「藍那……」 画面の藍那に触れようと手を伸ばすが、途中でそれが意味のないことなのだと気づき、それを止める。 藍那『……メモリーの残量が無くなって来ちゃった。 だから、これが最後……… 私は……天宮藍那は、 あなたのことを――――――』
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