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今回の学校は、住んでいる家から割と近い距離にあった。
簡単に言えば、徒歩で10分ぐらい……
以前は電車で1時間の通学も経験をしている俺にとっては、楽な通学だ。
ただ、その俺の周りに居る高校生の制服は俺とは違う物……
いや、俺が彼らと違う制服を着ているんだ……
ブレザーの制服の学校に学ランは明らかに浮いてしまう格好……
だから、さっきから俺を横切るヤツらが俺を不思議そうに見ている……
マジでウゼェ……
正直に言えば、この光景にも慣れていたが、ただ怒りに近い苛立ちしか出て来ない……
そのせいか、俺はブレザー集団が入って行く校門をあえて一人だけ通り過ぎた。
そして、校門から人気が無くなるのを物陰に隠れながら待った……
これを他人が見れば、どう思われるだろうな……
例えば、好きな女の子が通っている学校に覗きにきたバカとか……
殴り込みに行く前の偵察とか……
単純な変質者とか……
まぁ、要するに良いイメージは持たないだろうな……
そんなくだらない事を考えていたせいか、時間はあっという間に過ぎて、気が付けば大方の生徒は登校し終わった様子で校門の前には人一人も居なくなっていた。
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