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俺は勇助の家に向かった。
家に着きチャイムを鳴らすと慌てた様子の母親がドアを開け俺に詰め寄ってきた。
母親「カズマ君…勇助知らない?」
カズマ「え?はい いえ…僕も探してて…」
母親「勇助 昨日の夜から帰ってきてないみたいなの…携帯も繋がらないし… 朝になって起こしに行ったら 電気がつけっぱなしで……何か心辺りない?」
心辺りはある あの黒い手紙だ しかし、その事を伝える訳にもいかず…
カズマ「いえ 朝練来てないからてっきり風邪でも引いて家にいるものと…」
母親「そう…今までこんな事なかったし大丈夫だとは思うけど万が一って事もあるから…主人も出張中で家には私一人だから…」
カズマ「一度学校に行って友達に聞いてみます、もしかしたら何か分かるかも知れないですし」
母親「有難う お願いできるかしら?」
カズマ「はい 何か分かったら連絡しますんで」
母親「お願いね」
そして 俺はとりあえず学校に向かった。
家にいなかった これは益々手紙に書かれていた事が気になる。
誘拐? 別に勇助の家は金持ちじゃなく至って普通の家庭。 勇助は高校生…そんな奴を誘拐するとは考えにくい。
同じ手紙が俺にも届いた。もしかしたら俺を驚かす為のドッキリかも? だったら 犯人は勇助… もしそうならブン殴ってやる 心配かけやがって…
あれこれ考えながら河川敷の脇道を学校に向けてチャリで走っていた。
カズマ「ん?目に虫でも入ったか?」
目の前の景色が黒く滲んでいる
チャリを停めて鞄に入ってる手鏡を取り出し目の中を見てみる。
カズマ「なんも入ってないっぽいけど…」
目に何か入ったなら異物感があってもいいけど異物感がない
すると…耳元で
*****************************ムカエニキマシタ********************************
と誰かの声がハッキリと聞こえた。
その声は機械音みたいな声で辺りを見回しても傍には誰もいない…
空耳か?と思っていると目の前がゆっくりと闇に包まれていった。
カズマ「うわぁぁぁぁ」
ゆっくり静かに目の前が黒く染まっていく
俺は恐怖と闇に包まれていく
誰にも届かない悲鳴を残しながら……
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