恋人でしょ？

２

<<ブブブッ>>

深夜、携帯のバイブがけたたましく鳴る。

枕元で鳴り続ける携帯を握り、電源ボタンを押し毛布を頭までかぶる。

しかし、再度部屋中に響くバイブ音。

寝ぼけ眼で電源ボタンを押せば、すぐさま携帯は震える。
誰だこんな時間。
ぼうっと光り眩しすぎる携帯画面を確認すれば、そこには『服部涼太』と表示されていた。

眉間に深いシワを寄せながら電話に出る。

「もしもし……」

「おう、桃井」

ぶちっ。
親指に力を入れた途端声が切れた。

「……」

…………。
もう来ないだろう。