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(あ……) 俺、ぼうっとしてた? 「大丈夫だ」 ……安心して。俺を見て。俺の言葉に耳を傾けて。 穏やかな声で宥め、彼の頬を両手で包む。 「俺は帝しか好きにならない。帝以上好きになれる奴なんかいない」 目を合わせてはっきりと主張すれば、目尻をつり上げる帝に柔らかい笑顔が戻る。 「そうだよな。悪い、なんか色々考えちゃって。らしくなかった」 頭をポリポリと掻いて、笑うもしばらく黙る帝。 「…………」 背けた帝の表情は見えなかった。 けれど、そのあと会話をしても気分を損ねた様子もなく、俺は笑って残りのケーキを食べた。 ***
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