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「いや、アンタ女みたいな顔してるなって」 「はぁ?」 「馬鹿違う。肌キレイってことだよ」 素っ気なく返すと、フゥンとまんざらでもない返事が、こちらを盗み見する男子から返ってくる。 「お前桃井っていうんだろ?有名だぜ」 「有名ってなんで」 「俺が知るか」 まだ落ち着きがない教室に二人の声がかき消される。 男子は何か考えたように顎に当てていたシャーペンを、ノートの切れ端に走らせる。 そしてその紙をくしゃくしゃと丸め、俺に向かって投げつけた。
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