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リビングに行くと、テーブルには朝食が二人分置いてあった。
もちろん俺と姉さんの分だ。
飯の量が同じなのは、姉さんの数少ない優しさである。
俺をかなり苛める分、家事はきちんとしてくれる。
「よし、準備できたぞ。座れ座れ」
「早っ!」
俺がリビングに着いた瞬間、俺の背後には姉さんが立っていた。
そして俺はすぐに椅子に座った。
「では、いただくとしよう」
「いただきます」
いつもの、俺と姉さんの二人きりの朝食が始まった。
…やっぱり飯は冷めてるな。
そして姉さんのは……、
「…温め直したの?」
「当たり前だ。冷たい味噌汁は飲みたくない」
「じゃあ俺も!」
「保幸にはそんな時間の余裕はないだろ?タダでさえ時間ギリギリなんだから」
ほとんどは姉さんのせいなんだけどなぁ……。
と、口に出したら姉さんに何されるかわからないからやめておく。
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